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僕は、この類いのメールにもうこりごりだったので、自分のアドレスを一度変えていた。
すっかり安心しきっていたのに、なぜ…
一抹の不安がよぎる。恐怖心が先に立って、しばし動けず。
でもまさか。新しいアドレスは、それほどたくさんの人に伝えていないし…
僕の気持ちの中には、アドレスがどこで漏れたか確かめたいという思いと、
開けた途端にとんでもない事件にまた巻き込まれやしないかという恐怖心があいまっていた。
そこで携帯を開けないまま、隣人の藤野さんの部屋に押しかけた。
「どうしよう。中身を見た方がいいのかな」
「そうびびんなよ桐生。大したことないかもしれないぜ。最近じゃ、暴露怪人もすっかりご無沙汰だしな。それにお前の事件が、そもそもヤツの仕業だったかも、曖昧なままだろ」
「だけどまた、これを見たら、いきなりどこかの企業に侵入するウィルスが出没したりして。そんなんならこのまま警察に届けた方がましだろ」
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