(十一)東京での再会

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向井さんがそう言ったので、僕はまだ布団の中にいるのがバレていると思いつつ 「すいません」となぜか謝りながら、相手の次の言葉を待った。 「ちょっと君に聞きたいことがあってね。最近、また妙なメールが来てないかな?正直に答えてもらえると手間がはぶけるんだが…」 こいつは、救い主か、それとも僕を再び悩ませに来た疫病神か。 そんなことの判別もつかないまま、僕は昨日あったばかりの「爆狼怪人」からのメールについて報告した。 もちろんなぜすぐに連絡しなかったかと怒られるのがいやで、今日、もう少ししたら府警に足を運ぶつもりだったと、ウソをついた。 「桐生くん。君には大変申し訳ないんだが、そのメールを保存したままで、今からこちらへ来てくれないかな」 「えっ、東京にですか」
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