(十一)東京での再会

6/13
前へ
/237ページ
次へ
「ああ、新幹線を降りたら中央改札を出てくれ。そこでこの前、私と一緒に京都に出向いていた谷岡捜査官が待っているから、彼の車でこちらへ来て欲しいんだ」 「でも、お金が…」 それに僕は、あの谷岡という若い捜査官が苦手なんだ。 勘弁してくれ。 やっぱ、あんたらは僕に取って疫病神か? 「大丈夫。交通費は支給するから、でも新幹線の自由席代の片道分しか出ないから、それは我慢してくれないかな」 「えっそんなぁ~」 「言っておくが、これは裁判員制度の裁判員と同じで、君には私の依頼に従う義務があるんだ。国民としてね。それを肝に銘じて行動してくれたまえ」 ああ、もう最悪だ。やっぱコイツらは疫病神どころか悪魔だ。 まったく、刑事ってものに、一度睨まれたら最後だな。
/237ページ

最初のコメントを投稿しよう!

412人が本棚に入れています
本棚に追加