(四)現実と酷似

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もしかして僕は、今年から大殺界に突入か? あの細井数子ちゃんが言ってる低迷期ってヤツか? これって、なんのバツ。 微妙な情報ばかりで、何もまだハッキリしていないのに、まるでこの二つの事件に関わったウィルスを、僕が巻き散らしたかのように思えてならなかった。   この二つのウィルスって、不正をあばくのはいいが、社会を混乱させてないか? でっ、犯人は僕なんて、まさか誰もそんなこと思わないよな。 …だけど 「くそ、あの乞食め。小心者の僕を、こんなに不安がらせやがって。どうしてあの時、河原へおりて歩いたりしたんだろう?」 僕は新聞を手に、思わず声に出してつぶやいていた。
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