No.1暴露怪人

（五）点をつなぐ、捜査開始

その頃、遠く離れた東京の警視庁サイバー犯罪特別班では、ある一連の事件に関する調査本部が立ち上がったばかりだった。

事件は、都内で起きた三ツ星重工株式会社の不正漏洩事件から端を発していた。

警視庁全体では、当初からその三ツ星重工側の不正に関する捜査の方に重点がおかれていた。

だがサイバー犯罪特別班だけは、その不正が明るみになった原因のコンピューターウィルスについて追跡を開始した。

それは都内にある名門私立KO大学の一人の学生が、試したゲームから、なぜか三ツ星重工のコンピューターに悪性ウィルスが侵入したという、妙な経緯で起こっていた。

学生を事情聴取したところ、突然、自分のスマートフォンに送信されてきた無料お試しゲームを実際に試してみたところ、

自分がシュウカツで訪問した三ツ星重工の不正をあばくゲームだったので、おもしろがってやってみたのだと証言していた。