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「健吾。お前、さっきどうしたんだ」
「ほっほんとうに痛みを感じたんだ。なんていうか思いっきりすごい力で引っ張られたっていうか」
「そんなのあり得ないだろ。こっちがびっくりするじゃないか。もうしっかりしろよ」
英太と竜二は、冗談にもほどがあると少し怒っている。
「まさか、体感型のゲームなのかな?現実の足に激痛が走るなんて」
「フフッ。お前ったら、俺達をビビらそうとしてるだろ」
「ウソじゃないって、英太」
「ハイ、ハイ、健吾ちゃん。でも感じ過ぎだよ」
「もう、バカにしやがって。リアルに誰かが俺の足を引っ張ってきたんだってば」
健吾がそう説明している間にも、ゲームの中の女子大生は、早くも黒い手に投げ縄を飛ばして縛り上げている。
そして手際よく、自分のゴミ袋に妖怪を納めた。
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