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その間にも、現実の英太は、どんどん顔色を悪くして、呼吸が乱れ、目もうつろに。
健吾と竜二は、祈るような気持ちだった。
幸運にも、親切なプレイヤーのタケルが、ヒントを見つけるまでにはそれほど時間を有しなかった。
やがて、
「参議院本会議場」と、返事が返って来た。
タケルのキャラが「あっち」と言って、ゆっくり進み出したので、健吾はともかく自分のキャラを同じ方角に進めた。
正常になった赤じゅうたんの上を歩いて、大広間の中央に行くと、吹き抜けの天井の方に、はまっている色とりどりのステンドグラスが、鋭利な刃物のように尖って見えた。
あのガラスも近づくと危なげ、あれも妖怪の仕業に違いない。
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