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英太は、竜二が支えられないほど体を揺らして、もがき苦しみ出し、口から泡をブクブク吹き、ばたりと倒れた。
「えっ、泡を吹いてる。これって、まるで俺の妹が、小さな頃に起こしたてんかんの発作みたいだ」
竜二が血相かいてつぶやいた。
「ああ、英太しっかりしろ」
英太の体は、まるで水から陸に揚げられたばかりの魚のように最初ビクビクけいれんしていたが、その後じきに静止して気絶した。
「ヘビの毒が回りました。ゲームオーバー」
スマホの中のゲームから、そんなメッセージが聞こえて来て、画面が一瞬にして真っ暗になった。
「英太、英太」
健吾は英太の体を抱え起こそうと床にしゃがんだ。
「ダメだ、健吾。何か分かんないから、英太の頭を揺すぶったらダメなんだ。昔、妹が倒れた時、母さんがそう言ってた。とにかく救急車だ。早く」
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