(六)線がぼやける。捜査混乱

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東都大、法学部三回生の英太は、救急車で運ばれて、幸い命には別状がなかった。 だがこの時、東都大には、相次いで救急車が呼び込まれて、多数の学生達が近くの病院に運び込まれていた。 学生達の中には、後一歩遅れていたら脳に障害を負いかねないほどの症状だった者もいた。 翌日の夕方、英太は意識を取り戻した。 医師の話では、暗い所で激しく点滅する画面を見たりすると、てんかんの発作と同じ症状が出るそうで、英太の体はヘビの毒におかされた訳ではなかった。 ただ日本の最高学府で、しかもこれほどたくさんの犠牲者が出たことで、マスコミは大学構内に押し掛け、警察も事件として、そのゲームの出どこを調査し始めた。 なにしろこのゲームが引き金となって起こった東都大の事件が、ある別の大事件と関連しているのではないかと、じきに分かって来たからだ。
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