(六)線がぼやける。捜査混乱

3/12
前へ
/237ページ
次へ
そのもう一つの事件とは、衆議院、参議院の両院どちらとも、過半数以上、 つまりほとんどの議員達が、ある共通の症状を起こして、都内あちこちの病院に入院するという奇怪な事件だった。 しかも東都大学生達の多くが犠牲となった日から、二、三日の間に、学生達と似たような症状で、議員達も次々と病院に担ぎ込まれたのだ。 それは個々の議員達が、パソコンまたはスマートフォンに届いた一通のメールを開いた際に、激しい光が点滅して、それを見た議員達が全員、けいれんを起こして、口から泡を吹き、意識不明になるという恐ろしい事件だった。 この症状を同時期に、たて続けに見た都内の病院の医師達は、あわてて警視庁に通報した。   ではなぜ、多くの議員達が、そのメールをうかつに開いてしまったのか。 それは個人献金を申し出る地元の支援者を装ったメールだったからだ。
/237ページ

最初のコメントを投稿しよう!

412人が本棚に入れています
本棚に追加