(六)線がぼやける。捜査混乱

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また巧妙なのは、実際にその人物が存在することで、たいていは地元の商工会議所の所長や、農協の役員などの名前であった。 何度か地元で面識があった人々からのメール。 議員達は、アドレスを交換したかどうかも定かでないまま、受信メールを開けてしまった。 結果、彼らは目から入った光で脳に強烈な衝撃を受け、発作を起こして入院したのだ。 議員が過半数以上も出席出来なくなった国会。 あり得ないことが起こっている。 この非常事態に際しては、しゅくしゅくと役人が責務をこなすしかなかった。   そのうち、世間ではこんなことがささやかれるようになった。 国会議員て、このご時世に、結構、高給取り出し、もっと人数そのものを少なくしてもいいんじゃないか。 なにしろ議員があれだけたくさんいなくなっても、国は回っているんだからな。 最近じゃあ、たびたび大臣クラスが失言で交代する有様だし、もしかして官僚よりも、税金のムダ使いなのは、ヤツらの存在か?  
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