学校へ

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保健室にはすでに 何人か生徒が寝ていた あたしが熱を計っていたら 保健室の先生‥影山先生が来た [もう‥また勝手に寝て!ほらほら授業行きなさい] と,生徒を追い出した 私は追い出されなかった [珍しいわね,岩瀬さん] 「ちょっと‥頭痛くて」 [あんなことあった後じゃ,神尾先生にあいにくいもんね] 「えっ‥ぇ」 [私もいたのよ?気がつかなかったでしょ] あたしの体温計が鳴る ‥36度4分 [元気ね!ほら,いってらっしゃい] 「で‥でも‥」 [恥ずかしがってちゃ,恋は始まらないわよ?さあ,行きなさい] 影山先生は,おばさんだけど すごく魅力的で羨ましい ありがとう‥ 「いってきます‥」 走って教室に向かう途中で 福岡にあった [授業に遅れて気を引くつもり?] 「‥‥そんなんじゃありません」 [本当に‥学校でキスするなんて勇気あるわね] 「‥‥‥‥‥‥」 無視して行こうとした [私よ.見てたのは。あなた達がキスしてるのを見たのはね] 背筋が凍った 心臓が激しく動き始めた [寒気がした。あなたみたいな子が.神尾建弥をそそのかしてるなんてね] 手が少し震えた どうして良いか分からない [私は彼が大学生の頃からの仲なの。同じサークルで,仲が良くて‥‥‥一時は恋人同士だったの] ‥‥‥‥恋人‥? [そのとき神尾建弥は言ったの。年下に興味はないって] ‥‥‥うそだ‥ [だからこれ以上,彼を困らせないで] 姿勢良くきびきびと 去って行く福岡先生 わたしが昨日座ったソファ 一緒に寝たベッド あなたも使ったの? あなたは知ってるの? 神尾建弥の温もりを 私はただその場に座り込んで なにもすることができなかった
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