mission1

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そいつらは暗闇と共にやって来る。 適度な間隔で黒い革靴を鳴らし、真っ黒な出で立ちで現れる。 「相変わらず緊張感のない格好だな」 背の高い男が言う。 黒のカッターシャツに黒のジャケット。漆黒のコートからは黒いツータックパンツが見える。 スーツ姿だというのに真摯というよりは不気味という表現が似合う男。 その男の問いに隣を歩く男が答える。 「緊張感ならあるさ。私は夜しかネクタイをしない」 見れば男の胸には黒地に濃い黒と白のストライプネクタイ。 結び目の下にはちょうど細い指輪一つ分がはまりそうな 穴のある銀色の指輪。 「当然だ。ネクタイすらしない男とは組めん」 論外だとでも言うような口調の男を見ると グレーのストライプのネクタイに細い銀色の指輪が光っている。 二つを重ね合わせれば見事に一致しそうなデザインだ。 「服装なんて個人の自由だろう。ある程度の品位があれば どんなものを着ようが文句は聞かない」 穏やかな口調とは逆に突き放した感じのする言葉。 だがスーツ姿の男は唇に弧を描いて軽く鼻を鳴らす。 「文句ではない。感想だ」 到底感想とは思えない口振りだったが、 この男にとってはそうであるらしい。
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