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誇りの高さの証拠に、今の情けない語りかけに「しっかりしろ」と言わんばかりに得意技のヘッドバットを叩きつける。気の強いじゃじゃ馬にアルバは手を焼いていた。
「痛て!ゴメン、ゴメンってば!さあ、早くフィオレニアに帰ろう。木苺のジャムを食べたいよ。」
宿屋の主人に別れを告げ、手綱を引きながら街の門を目指す。その街の門だった。信じたくない、そんな話を聞いたのは。
「聞いたか?フィオレニアが攻め落とされたらしいぞ。」
「へえ、敵さんはどこの国だい?」
「さあな。なにしろ自分達の旗を挙げずに、しかも宵闇に乗じて焼き討ちをかけた卑怯者だったらしい…から…な…」
話をしていた騎士の顔から血の気が引く。その視線の先にいたのは、その騎士より更に顔面蒼白となったアルバだった。
「馬鹿な…。一体…どういうことだ…!」
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