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アルバは自分でも想像ができないほどに血相を変え、門番の騎士に掴みかかっていた。そのことを理解するのに数秒を要するほどに、アルバの胸中にはあらゆる激情が沸き上がっていた。
その血相、アルバの鎧を見た騎士はギョッとした様子でアルバの出方を伺っていた。若年とはいえ、アルバもまた一人の騎士。ハッと我に還った彼は掴みかかった騎士の肩を離し、沸き上がる激情を抑える。
「…すみません。この鎧をご覧になれば解ることと思いますが、私はフィオレニアの騎士です。詳しい話を聞かせてください。」
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