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ZERO
辺りが一瞬にして真っ白な光に包まれ、次の瞬間大きな音と共に機体が激しく揺れる
無線などは電波障害を起こしてうまく伝わらない。俺はそんな中にいた
「ザザッ…ザー…どうした!?何があった!?状況を説明しろ」
暫くしてようやく無線が繋がりイーグルアイはいつもとは違う焦った声で尋ねてくる。それにPJが答えてるから俺はいいだろう
そう思いながら辺りを見渡すと突然無線からピクシーの声がした
「相棒、俺は…戦う理由を見つけた」
その意味深な言葉を理解できず"ん?"と聞き返すといきなり俺の機体がバチバチと音を立てて損傷した
「…!!」
致命的な弾は食らっていなかったから大丈夫だが、レーダーを見ると俺の後ろにはピクシーしかいない。イーグルアイが叫んでいる。もしかして…?
「…ピクシー、どういうことだ?」
聞くと再び弾が飛んできた。急いで旋回して回避しピクシーの背後を取る
「悪いな…ここでお別れだ」
そういうとピクシーは動き出し俺から離れて行く。あぁ、そうか相棒。俺の頭では裏切りという言葉が浮かんできた
冷静にピクシーの思考を悟り、追いかけずただその場でレーダーを見ていた。この作戦空域を離脱したら俺はお前を敵と見做す。そう思いながら
―――――――――――
「うぉりゃあああぁぁあ!!」
叫び声と共に一機の戦闘機が火をふいて墜ちていく
「…っ」
俺は声が出なかった。さっきまで隣で揚々と話していたPJが墜ちたのだ
唖然としていた、PJが墜ちた。彼女にプロポーズするはずだったPJが…。冷静に考えていると心の奥からフツフツと怒りが込み上げてくる。その半面戦場なんだからと理解してる部分があった
そしてPJを墜とした奴を見てみようと前を見ていると片方の翼だけが赤く塗られている見覚えのあるデザインの機体と聞き覚えのある声がした
「戦う理由は見つかったか?相棒」
あぁ…ここで登場か、相棒。何だか笑いが込み上げてきた。
これがお前の選んだ道か
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