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「あー、キリアコフ中尉。っざまーす」
先程同様に気の抜けた挨拶をキリアコフ中尉にする
「あ?…あー…」
キリアコフ中尉は私をちらっと見て一回コクりと頷いて応答してくる。今日も随分と不機嫌だなー、この人朝はとにかく機嫌が悪い
「中尉ー、今日も随分と不機嫌ですね。いっぱい寝たのに」
私が中尉の前の席に座るとあからさま嫌な顔をしてくる。失礼なやつだ
「チッ…退けてくれない?見えないんだけど」
舌打ちをしながらスプーンで退けろとジェスチャーしてくる
「あーい」
気の抜けた返事をしながら席を立ち朝食があるところに向かう…が一つもない…
しまった…忘れてた…ここは出撃命令などがかかっている人はちゃんと朝食が用意されるが何もない人は早い者勝ちなんだった…おうふっ
頭を抱えながら座り込む。あぁ、朝食がないと思うとお腹減ってきた
…もしかして、最後の朝食がキリアコフ中尉が食べてるやつ…だよね…だよね…それしかないもんね…今の時刻9:45…昼飯にはまだまだ遠い…よし、駄目元で
「キリアコフ中ー尉っ」
立ち上がりにっこりと笑みを浮かべながら再びキリアコフ中尉の前の席に座る
「何」
「それ最後のでしたよね」
「そうだけど?」
「私今起きて食べてないんです」
「で?」
「だから半分くださ「嫌だ」
そ、即答…無理だとはわかってたよ…だけど…
「ちょっとぐらいいいじゃないですか!!」
「うるさいよ」
「そのトマトだけでも…あ、いやデザートだけでもいいからぁ!!」
「邪魔テレビ見えない」
「くださいよ!!このケチクソ野郎!!」
「あん?」
「あぁん?」
私たちが言い合いを始めた直後食堂に入ってくる一人の人物がいた
その人物は私達などには構わず台所を漁りオレオを手に取る
「おぉ、たい、ちょー!!」
その人物は私が尊敬してやまないスレイマニ大尉だ。自称隊長だ。私はささっと隊長の元に行く
「おはようございます隊長!!」
「あぁ、今起きたのか?」
隊長は私を見てボサボサな髪を見ながら言う
「そうです」
ニコニコと微笑みながら言うと隊長はふんっと笑う
「…隊長お腹空きました」
オレオをじーっと見ながら言うと隊長は先程の状況で察してくれたのかオレオを一袋私にくれた
「ったく、うるさいやつらだ」
はぁとため息をつきながら隊長は食堂から出て行った
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