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私は隊長から貰ったオレオを開けキリアコフ中尉から離れた場所に座りボリボリと食べ始めた
久しぶりに食べるとおいしいなオレオ。何て思っているとキリアコフ中尉がため息をつきながら席を立った。食べ終わったのか食器を片付けようとしているのをちらっと見ると……半分以上残してやがる。私は思わず立ち上がる
「ちょっ、中尉!!残すんならくださいよ」
「勝手にすれば」
キリアコフ中尉は素直に残したものを渡してくれた。ひゃほーい。朝食ゲット。私は貰った朝食をテーブルに置く。キリアコフ中尉は食堂を出ようとするのを私は慌てて腕を掴み引き止める
「ストップ!!」
「っ!?…何」
少しびっくりしたように私を見てくる中尉を下から見上げて
「一人じゃ寂しいじゃないですか、いるだけでいいんで一緒にどうぞ」
と強引に引っ張り席に座らせる
「はぁ?意味わかんない。何で僕が君に付き合わなきゃいけないんだよ」
「まあまあ…」
いらいらしている中尉を宥めながら朝食を食べる。んまい
「そういえば中尉、あのおバカ二人組は?…あ、一人は違うけど」
もぐもぐと食べながら先程から見ていない二人の事について尋ねると不機嫌そうにも知らないと答えてくれる中尉
「そうっすか」
もぐもぐ…そういえば中尉は性格がよければモテそうな顔してんのにな。私は中尉の顔を見ながら食べている
「なに?人の顔ジロジロ見ないでくれる?」
「いやー、中尉って昔彼女とかいました?」
「急に何…」
「ん?あ、中尉は顔はイケメンなのに性格残念だから彼女とかいたのかなーって」
もぐもぐと食べながら言うとイラッとした中尉が睨んできた
「君と違っていたに決まってるだろ」
「"いた"ということは過去系ですね。今は作らないんですか?」
ニヤつきながら聞くと中尉は一瞬真面目な顔になり
「いつ死ぬかわかんないのに作れるわけないだろ。相手に悲しい思いさせるだけだからね」
と言った。私はキリアコフ中尉の本音を聞いたみたいでしばらく唖然としてしまった。何か…すごい…
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