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そして、街に着き、一番に目に入ったのが斬り殺された自警団の姿だった
「……そんなっ……!」
口元を手で隠し、膝をつくミキ
それに対して、私は随分冷静に頭が回っていた
自警団が全滅しているにも関わらず、他の死体が無い
つまり襲ってきた相手は明らかに歯が立たない敵
まともにぶつかれば間違いなく負ける
なら、あいつらは東からの進行のみ
自警団だけなら、普通の市民は逃げているかもしれない
そして、南は海、北は山、西には別の大きな街がある
逃げ道はしっかりある
もしそうならあいつらから逃げることを優先すべきだ
いつ戻ってくるかわからない以上、早い内に逃げなければ
「ミキ」
「……どうしたの?」
と、聞いてくるミキに私はさっきの考えを述べると、
「うん。……そうだね。行こう……」
私は頷き返し、歩き出す
あまり目立たない裏道を使って進む
すると、曲がり角、
「……っ!!」
「お前たち、この街の人間だな?」
そこには、甲冑をつけた男がいた。相手の手には、血の付いた剣
「ミキ!逃げっ……!」
言おうとした瞬間、相手の剣が振られる
ギィン!
「アカネちゃん!」
「……っ!」
咄嗟に抜いた剣で辛くも相手の刃を防ぐ
「甘いぞ!」
「っ!?」
剣が引かれたと思うと、逆方向から再び剣撃が襲う
体を縮め、しゃがみ込む
その直後頭上を剣がすり抜ける
隙ができた脚を払いのけようと足を伸ばし、体を動かそうとした瞬間、
ガツ
鉄ブーツを履いた足で顔を蹴られる
そのまま足払いは中断され、尻をつく
「死ね!」
振り上げられた剣は振り下ろされず、弾き飛ばされた
「っ!!」
私は剣を捨て、右の拳を振り上げる
ゴッ
相手の腹に拳は当たり、今度は左の拳で顔面を殴る
これも入り、相手はよろける
その瞬間に上に飛び上がり、脳天に踵落としを放つ
しかし、それは脳天に直撃せず、かわされて肩に入る
それでも相手は怯む
私は着地し、剣の柄に手をかけ、振り上げる
その一撃が相手のわき腹から肩口にかけて刃が切り裂く
「ぐあぁっ!」
相手は完全によろめきつつも、自身の剣を拾おうとする
私は剣を横に一閃する
それは相手の体の胸部を右から左に切り裂いて、相手は倒れた
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