変化

20/41
前へ
/272ページ
次へ
「……何か…悩んでいるの……」 隣に座りながら、さっきのことをどう処理していいか考えていた。 「うん…今はまだ考えがまとまらない。でも遥香、聞いてね」 きっとアタシは縋り付くような目をしていたと思う。ここが会社でなかったら…今が就業時間でなかったらアタシは遥香に縋り付いていた。 そんなアタシに、にっこりと遥香が微笑む。 「……ええ。いつでも……」 ただ遥香は笑ってくれただけなのに、アタシは誰よりも強い味方を持てたことがわかった。 そして、少しだけ楽に息が出来るようになっていた。 「よーしっ!アタシ、頑張ってくるね」 少し冷めた紅茶をくいっと飲み干すと、紙コップをダストボックスに落とした。 「遥香、ごちそうさま。また後でね」
/272ページ

最初のコメントを投稿しよう!

199人が本棚に入れています
本棚に追加