第二章

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リビングとキッチンの間にお母さんが倒れていた。倒れているお母さんは血まみれだった…。 「えっ?何!?どうしよう?救急車!?お母さん?大丈夫?」 頭が全く回らず自分でも何を言ってるのかさえわからない。 「うぅ…成実…。救急車、はいいから…お願い…車で病院…」 はぁはぁと息もまともにできないお母さんが必死に訴えてきた。 「救急車はいいって…本当に大丈夫なの!?」 「大丈夫…だから…騒がないで…。」 「わかった…!わかったから喋らないで…。」 「ごめんね…ありが…ぅ」 最後まで聞き取るのも難しい様な消え入りそうな声で言うお母さんをその場に、私は車の鍵と、自分とお母さんのバックを掴み母に問いかけた。 「お母さん、動ける?」 返事はない…。
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