67人が本棚に入れています
本棚に追加
/50ページ
もう直ぐ鮎釣りが解禁になるという事で、誘ってきたのは保坂久雄の方からだった。
鮎釣りは面白いから、是非やってみるべきだ、と。
三宅幸二は鮎釣りを得意とはしていない。
実はその昔、一度やったことがあるきりだ。
その時は「俺は鮎にかけては名人の域だぜ」と豪語する人がいて、期待に胸を膨らませてその人ついて行ったのだ。
しかし釣りは海も川も池や湖も数をこなしてきた三宅から見ればその人は、鮎はおろか釣り自体がど素人で、世間によくある口だけは、という残念な男だった。
最初のコメントを投稿しよう!