第一章

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私は有能だった。 これは決して、自慢や自分の能力を甘く見ているわけではない。ただの事実だ。 現在、IT業界のトップをはしる泉コーポレーションの社長の一人息子としてこの世に生を受けた。といっても私が生まれたときはまだまだ中小企業の一つにしかすぎない規模だったが。  金持ちの家といううほどではないが貧乏でもない。そんな普通の家庭である。 しかし、私個人が普通ではなかった。 小学生に入る頃には、一般の大学生レベルの知識を既に有しており、普通の小学生が行うような遊びはせず、企業や大学、政府機関などのコンピュータにハッキングをして遊んでいた。その頃は自分の異常さに気づいてはおらずただ単に未知なる技術自分の知らない知識を吸収することが楽しかったのである。 そして、小学生を卒業する頃に はすでに私の知識は世界の中でも五本の指に入る程度になっていた。そこになりようやく自分の異常さに気づいた。
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