第一章

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そこからは、何をしても退屈の一言であった。 私は退屈ということが嫌いだったので、様々なことをした。 中学に通いながら父親の会社を手伝い業界トップに押し上げたり、柔道や剣道などの武道全般に手を出したりした。世界有数の大学の客員教授として講義をしたり、世界レベルでの技術の底上げにも協力した。 しかし、そのどれもが退屈なのは変わりなかった。それらに着手ししばらく行うとゴールが見えてしまう。自分の想像通りの結果になってしまう。新しいことなど何もなく既に有している知識や驚異的な身体能力の披露の場でしかなかった。 中学卒業あたりから私は能動的に世間と関わることをやめた。
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