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『富山くん おめでとう!
晴れて君は...
本日付けでクビだ』
...薄々感付いてはいたんだ。
近頃押し寄せ 止まらない不況の波に比例するように、俺の取引も そう上手く行くもんじゃなかった。
以前はこんな俺だって、色んな取引先へのプレゼンテーションや販売は、当たり前のように任せられていた。
成績だって・・・それなりの数は叩き出したし、接待だって毎日のように回されていたはず・・・。
やはり、不況の波には勝てないのか?
そして何故、俺なんだ?
向こうのディスクでケラケラとコーヒーすすってる、古株社員らの方が売り上げ率は低いだろうに!!
でも現実世界は、思った以上に難しいもので・・・
《有能》な奴より
《賢い》奴の方が
ハイエナのように、荒れきった荒野の中で生き残るもの。
まだ30の俺は・・・この世界で経験豊富な40、50の古株に賢さでは勝てないようだったな・・・。
有無を言えないこの状況。
部長の突然の辞令に俺は
『はい。そうですか』しか
言えなかった・・・。
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