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いきなりの親方の行動に
「イヤ・・・親方?
俺、おでんなんて頼んでないけど・・・」
慌てて差し出された皿を、彼に返そうとするが・・・
「いいんだよ!
今日はトミーの失業記念だ(笑)飲んで食って、また明日頑張れや!
支払いは、そうだな・・・トミーががっぽり稼いだら、たんまり頂きますわ!」
そう言って、おでんの他に更に熱燗まで出してくれたのだ。
親方のそんな粋なはからいが、堪らなく嬉しくて・・・
「ははッ・・・
ありがとう、マジで・・・ありがとうございます。
仕事先見つかったら、沢山返しますから・・・」
「ハハハッ!(笑)
トミーならまたすぐ、良いところ見つかるさ!!
何のための高学歴だ、えぇ!?自信もってしゃんとしな!(笑)」
親方のその根拠のない発言は、単なる元気付けで出たものかもしれないが・・・
俺にとっては最高の誉め言葉に思えて。
口に運んだおでんのダシのうまさと 親方の温かさは、ひどく心に染み渡った。
このすぐ後ろの席で、この話を盗み聞きしている奴がいるとも知らずに・・・。
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