ある日の話。

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それから10分後。 玄関のドアが開く音と同時に、ただいまぁー、と2人分の声。 「ぱぱだ!」 「おかえりなさいー!」 同時に駆け出した双子に続いて、コンロの火を止めて4人のもとへ向かった。 「おかえりなさい。2人、一緒だったんだね。」 「おう、すぐ下で会ってな。」 「姉ちゃんただいまっ!」 「ぱぱおそいー!もうおなかすいた!」 「にいにもいっしょ!やったっ!」 「よし、めしだ~!」 怒ったり笑ったりと忙しい幼子たちを一気に抱き上げ、おれも腹へったーと叫びながらリビングへ向かう姿はまさにお父さん。 そんな逞しい背中を見て、やっぱり大好きだと感じる。 この人と、この家族と一緒にいれることはどんなに幸せなことだろうか。 「姉ちゃん、幸せそう。」 「そう?…うん、5人でいれることが本当に幸せだな。」 少し驚いたように、でも嬉しそうにはにかんだ笑顔を見て。 「幸せでしょ?」 「うん、俺もみんな大好きだから!」 やっぱり血を分けた弟にはまた別の特別な愛しさがある、と実感。 「さ、待ちくたびれちゃってたから早く席に座って、」 パーティーを始めよう! 愛しくてたまらない、家族と。
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