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ふと顔をあげると、そこは行き止まり。
走っていた足を止めて私は美雷さんに話し掛ける。
「…………美雷さん、残念ながら行き止まりのようです。」
その言葉を聞いた美雷さんは唇に弧を描き、笑みを浮かべ、
「まさか………私に“諦めろ”と言うの?そんな訳ないわよねぇ?こんな奴らにやられるなんて、屈辱でしかないわ。」
と言った。
この人は…………普段は静かでおしとやかなのに、こういう時になると人変わるなぁ………
「屈辱………まぁ、そうですね。美雷さんは私があんな薄汚い奴等に負けるとでも?」
「えぇ……と言ったら?」
「では、今から答えをお見せしようではありませんか。」
「ふふっ、そうこなくちゃね♪」
「では、美雷さんは私の後から出ないでくださいね?」
「分かったわ。」
幸い、この道は人2人入れるか入れないかの細い幅だ。私が美雷さんの前に居るかぎり、美雷さんには触れられない。楽勝だ。
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