1.田沼明子

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そして休日。 私はすごく興奮していた。 このお店のことを知ったときよりもはるかに。 20分くらい歩いたら例のお店はあった。 【くろ屋敷】 ドキドキ …よし!いこう! 私は思いきってお店の扉を開けた。 カランコロン 「すみませぇん。」 店の中に入って声をかけても反応がない。 「あn「はあああい!!!」 するとお店の奥から牛乳パックを持った12歳くらいの少年が出てきた。 …もしかしてこの子が店主? 「お姉さん、お客さん?」 きょとんとした顔で私に尋ねてくる。 「ええ。そうよ。この広告を読んできたんだけど。」 少年は私が見せた広告をチラッと見てニコッと笑った。 「いらっしゃいませ!お客様第一号!!」 そう言うと両手を広げ私に抱きついてきた。 「よぉしそれじゃあ早速あなたのお名前とか色々教えてね。」 「ええいいわよ。」 「ありがとう!ほんじゃこの紙に質問書いてあるから書いてね。はい。鉛筆。」 ほいっと差し出された鉛筆は猫の柄でとても可愛かった。 お店の内装も黒っぽく猫の置物、猫の柄の家具が目立った。 …じゃなくて、質問質問。 えーとまず名前か。 よし。 さてつぎの質問。 わたしは淡々と質問に答えていき最後の質問まできた。 あなたのタイプはどんな男の子ですか? …やっぱりこの質問きたか。えっと確かこの辺に写真いれてたような。 あ、あった。 「ねぇ最後の質問だけど。」 少年は猫と戯れていた。 「んーなに?」 私は写真を少年に差し出した。 「こういう人がタイプなんだけど、駄目かしら。」 「ふえ?別にいいよぉ。じゃあそれで質問は全部終わったね。」 少年は紙を取り、ふむふむと眺める。 「明子さんね。ほんじゃご希望の男の子連れてくるから10分ぐらい待っててね♪」 「分かったわ。」 「あ、これ飲んでて。」 そう言ってマグカップを私の前に置いてお店の奥に消えていった。 そして10分ぐらい経った時に少年と長身の男がお店の奥から出てきた。
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