1.田沼明子

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「おまったせ♪まった?」 明子は言葉が出てこなかった。 その長身の男はまさにアイドルの「影縫アキラ」だった。 「い、いいえ。全然待ってないわよ。」 「それならよかった! どう?彼を見ての感想は。」 明子は満面の笑みを浮かべて 頷いた。 「もう最高!ありがとうね。」 「あはは。どういたしまして。名前はお姉さんが見せてくれた写真の人と同じだから「アキラ」って呼んであげてね。」 明子はこくっと頷いた。 「それからレンタルは何日する?」 あ、そっか 仮にもレンタルだったんだ…。 明子はすぐに現実に引き戻された気分になった。 「一日大体いくらかかるの?」 「んー大体一万円くらいだよ♪あ、でもでもご飯とかはあげてもあげなくても大丈夫だよ。」 一万円……。 一週間で七万…。 …………。 決めた。 「一週間。一週間レンタルするわ。」 「はいはーい。おっけー。」 くろは変なメモ帳を取りだしメモをとった。 「それなに?」 「お仕事道具♪……はい!じゃあこれでもう手続き終わったから「アキラ」くん連れて帰っていいよ!それから、」 いきなりくろが真剣な顔になって明子にこう言った。 「一週間っていう期限は必ず守ってね。」 これ以上はなにも言わなかった。 明子はただ頷き「アキラ」の手を引き店を後にした。
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