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「おまったせ♪まった?」
明子は言葉が出てこなかった。
その長身の男はまさにアイドルの「影縫アキラ」だった。
「い、いいえ。全然待ってないわよ。」
「それならよかった!
どう?彼を見ての感想は。」
明子は満面の笑みを浮かべて
頷いた。
「もう最高!ありがとうね。」
「あはは。どういたしまして。名前はお姉さんが見せてくれた写真の人と同じだから「アキラ」って呼んであげてね。」
明子はこくっと頷いた。
「それからレンタルは何日する?」
あ、そっか
仮にもレンタルだったんだ…。
明子はすぐに現実に引き戻された気分になった。
「一日大体いくらかかるの?」
「んー大体一万円くらいだよ♪あ、でもでもご飯とかはあげてもあげなくても大丈夫だよ。」
一万円……。
一週間で七万…。
…………。
決めた。
「一週間。一週間レンタルするわ。」
「はいはーい。おっけー。」
くろは変なメモ帳を取りだしメモをとった。
「それなに?」
「お仕事道具♪……はい!じゃあこれでもう手続き終わったから「アキラ」くん連れて帰っていいよ!それから、」
いきなりくろが真剣な顔になって明子にこう言った。
「一週間っていう期限は必ず守ってね。」
これ以上はなにも言わなかった。
明子はただ頷き「アキラ」の手を引き店を後にした。
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