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「寮長、俺らは遊びに来た訳じゃ無いんですー…。離して下さい」
そうだよ、俺は呼ばれてここに来たんだった!
危うく寮長のせいで忘れるところだったわ。
危ない、危ない。
「んー、そう言えばそうだったね。うーむ…。涼が、俺を名前で読んでくれたら考えても良いかな」
何言ってんだ!!このっ、寮長めっ!!
そっちが俺を呼んだ癖にいいぃ!!!
でも、ここでグダグダ引くようじゃあ、男じゃないぞ!並木 涼っ!!
今こそ男を見せて、寮長の名前を呼ぶんだ…!
俺は(無駄に)大きく決心をし…
「流伊…さん、離して下さい。」
寮長の名前_____神谷 流伊___を呼んだ。
よくやった、俺。
したら、さんは余分なんだけどなー、と言いながら離れてくれた。
うん、良かった、良かった。
でも流石に年上の人を呼び捨てには出来ないです。
「んで用って何ですか?」
俺はそれを聞きに来たんだよ。
寮長がにこにこと笑ながら口を開く。
「涼、お前の部屋に転校生が来る。つまり、同室って訳だな。」
聞き間違いだと思いたい。
「ワンモア?」
「新しく来た転校生とお前が同室になるんだよ。涼は一人部屋だったろ?」
え、
え?
「えええぇええええええぇえ!!?」
ど、同室…。
しかも王道君と?
何これ、巻き込まれフラグ?
だって、王道君が部屋に生徒会の皆様やその他ectを連れ込むんだろ!?
え、どうしよう。嬉しくない、全く嬉しく無いんだけど。
傍観出来なくなるじゃん。
俺、運なさすぎじゃね?
こればかりは、俺の運の悪さを恨むっ!!
「うっせーな、涼。どうしたんだよ。」
何時の間にか復活していた悠斗は愕然としている俺を不思議に思ったのだろう、問いかけて来た。
「お、俺、転校生君と同室になっちった…」
「別に、その転校生は悪そうなやつじゃ無かったんだろ?」
だったら良くね?と、けろっといいのけた悠斗。
良くねぇんだよおおおぉお!それが!
「りょ、寮長、今から部屋変えたりーとか?」
「幾ら涼の頼みでも、無理だな。」
なんか、一気に地獄の底に落ちたような気分だ。
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