第一章

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ザシュっと身体を切り裂く音と共に赤い液体が宙を舞う。 姫は大量の返り血を浴びた。 月妃『焔…焔樹…様?』 赤紫色の瞳からは透明な水がこぼれ落ちる。 青年『さて……月妃、俺と一緒に来て貰う。』 何事も無かったかのように青年は姫の腕を引っ張り抱き寄せた。 月妃『私は…貴方だけは好きにはなりませぬ。愛する事などありませぬ…!』 涙を流しながらも強く言い張る姫を見て微笑したのは青年。 これが姫と賊ーー青年との出会いであった。
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