20人が本棚に入れています
本棚に追加
ザシュっと身体を切り裂く音と共に赤い液体が宙を舞う。
姫は大量の返り血を浴びた。
月妃『焔…焔樹…様?』
赤紫色の瞳からは透明な水がこぼれ落ちる。
青年『さて……月妃、俺と一緒に来て貰う。』
何事も無かったかのように青年は姫の腕を引っ張り抱き寄せた。
月妃『私は…貴方だけは好きにはなりませぬ。愛する事などありませぬ…!』
涙を流しながらも強く言い張る姫を見て微笑したのは青年。
これが姫と賊ーー青年との出会いであった。
最初のコメントを投稿しよう!