20人が本棚に入れています
本棚に追加
ある満月の夜の事。
白銀の髪を垂らす青年は寝息を立てて眠る姫を見つめていた。
焔樹『月妃、そなたは私の唯一愛する者……誰にも渡さぬ。』
そっと額に口づけをすると起こさないように姫の部屋を出た。
焔樹『今夜は胸騒ぎがする…何者かの気配がするが気のせいか…』
焔樹は空を見上げた。
胸騒ぎが止まない青年は屋敷の庭園に出る。
虫の音(ね)だけが辺りに響いていた。
刹那ーー……
焔樹『この気配…!』
何かを感じ取ったのか、焔樹は走り出した。
最初のコメントを投稿しよう!