天に立つ者

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天秤の王に不快な気持ちはない。 地位に関係なく態度を変えない海の王の度胸や性格はむしろ気に入っている部類だった。 「この計画の性質上、現在の死者数は関係ないでしょう」 更に対等の口を聞けるのも、4人の王の内、彼1人しかいない。 今の王という地位を口や態度の悪さで落としたくないのだ。 「俺が言うのは、その意味でのことではない」 「わかっています。だから私は闇雲に招待しているわけではありません。カード配布時、身辺を徹底的に調べ上げ、選りすぐりの人物をターゲットにしています。それも私自身が選んだ者達です」 天秤の王は感嘆の声を上げた。 「ほう、お前自身が動いているのか?」 「D・O・Aルールも私が決めています」 海の王に臆した様子はない。彼にしてみれば、王の地位さえ大したことではないのか、とさえ思う。
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