天に立つ者

13/13
前へ
/497ページ
次へ
天秤の王は豪勢な椅子に身を預けると、足を組んだ。 さも満足そうな笑みを浮かべ、海の王を指差して言った。 「お前もドクターの次に驚かせてくれるな。他の王達はそんな雑務、部下にまかせているだろうに。では、訊きたい。次のゲームの概要は何だ?」 海の王に表情の変化はない。 それがポーカーフェイスなのか、素なのかは誰も知らない。 ここにいる王達は彼の笑った顔さえ見たことがないのだ。 「次なるルールは――」 海の王はテーブルの下からリモコンを取り出すと、部屋の中央にそれを向けた。 すると、各王の前に立体映像が現れ、部屋の中央にも特大の立体モニターが現れた。 「こちらです」 海の王はリモコンをテーブルに置くと、低い声で告げた。
/497ページ

最初のコメントを投稿しよう!

23人が本棚に入れています
本棚に追加