天に立つ者

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海の王が管理下に起きた事態を告げた時、天秤の王が言った。 「船に損傷と言っても大したことはないんだろう?」 「はい、銃撃による傷は0.02mm程度です」 「やはりドクターの力は偉大だな。銃撃でそれだけの損傷とは・・・・いや、それほどまでの傷を与えた海賊を誉めるべきだな」 「はい、船の上から対物ライフルを撃たれました。それが唯一の傷です」 天秤の王はそれを聞くなり、感心した様子で顎に手を添えた。 「ほう・・・・それはすごいな。揺れる上に動く船の上であれを撃つか・・・・兵士の損害は?」 海の王は人差し指を立てた。 「兵士に至っては誰1人・・・・かすり傷さえありません」 天秤の王は満足げに頷くと守護兵を思い起こす。 まるでその装備が目の前にあるような錯覚さえ覚えた。
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