episode 02

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ぐびりと、飲んであんこを味わう。(朝ご飯食べない派の私も、おしるこはいけちゃうな。軽いわー)なんて暢気に思っていた・・・ら、がたりと電車が急停車した。 「うっわ」 なんとも色気の無い声を出した私は、ドジな自分が転けずに立っていることにまず感動を覚える。この時点で、自分の手の中にあるおしるこの缶が飛び出したとは全く思っていなかった。そして、数秒経った後に前から男の人の声がした。 「おい」 「え、うわ。びちゃびちゃっすね」 「お前、自分が何したか分かってんの」 「え、おしるこ飲んでました・・」 「そこじゃないですけど。おしるこ飲んで、俺におしるこ浴びせたのか問題なんですけど」 「えええ!!!そんな事が?!」 「お前、分かってんの?朝からおしるこぶっかけられた奴の気持ち」 「すいませ、ほんと」 「どーすんだよ、これ」 (ていうかよく見ると顔が整ってるし、いいスーツ着てるな、この人。でも今おしるこまみれだけど。シュールだな、絵面が)そんな事を思っていると電車のアナウンスが耳に入る。どうやら、降りようとしてた駅に着いたみたいだった。時計をちらりと見ると、あと出勤時刻まで30分を過ぎたところだった。
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