9人が本棚に入れています
本棚に追加
簡単な設定と台本を読み込む。
うん、かなり得意な役かな。
相手が望む、自分にしかできない芝居を考え続けてると終了時間をつげる電話がなった。
もう少し練習したいけど…バイトまで時間もない。
仕方なく延長はせずにカラオケボックスを後にする。
バイト先のコールセンターについたら、イメージしたキャラで電話に出た。
うちのコールセンターは、ネット関連のサポート窓口。接続やメールの設定なんか説明することが多くて、キャラで電話をとることは凄く勉強になる。
「花梨お疲れ。なんか今日は一段と気合いいれて仕事してたね~」
帰り支度をしていたら、私を可愛がってくれている社員の秋月(あきづき)さんが話しかけて来た。
「実は、明後日オーディションで。」
「そっか、頑張るんだぞ!」
秋月さんは、美人なのに男っぽくってサバサバしていて密かに憧れてたりする。
「受かったら言いな。お祝いにご飯ごちそうするから。」
親指をたてて颯爽と去っていく秋月さんは、なんだかかっこよかった。
最初のコメントを投稿しよう!