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ここは神様の住む町。
小さな国の中にある小さな町です。
そこにシャルは住んでいました。
彼女ももちろん神様でした。
その中で彼女は“確率”を操ることのできる神様でした。
ある日。
彼女は今日も退屈凌ぎに、町の人気の少ない場所にある噴水を覗いています。
昔人間好きの神様が、人間の世界を覗くために作ったといわれている噴水です。
その神様は何の神様だったのかは分かりませんが、この国の規律を破ってしまい、今はこの町にはいません。
恐らく人間と仲良くなってしまったのでしょう。
死ぬ運命にあった彼らの命を助けてしまったのです。
それは“神様”にとって禁忌でした。
人間と直接関わってはいけない。
“神様”とはそういうもの。
シャル自身もそれは理解していました。
彼女は人間が特別好きという訳ではありません。
…ただこの神様の国は退屈すぎるから。
この噴水から人間の世界を眺め、毎日自分の力を使って彼らの事を弄んでいたのです。
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