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確率の神様シャル。
彼女の存在は大きなものでした。
彼女が存在するだけで世界中の人間に幸運と不運が発生します。
人間全ての運命を左右しているのです。
さらに彼女の力は自然的なものだけではなく、特定の人間に対して思いのままにピンポイントで操作する事もできます。
しかしそような悪戯に力を使う事は、あまり喜ばしい事ではありません。
少なからずその人間や周りの人間の生死に関わってくる可能性があるからです。
そうなれは神様の国の規律に反します。
でもシャルはそんなことは気にしていませんでした。
遊びはしますが、人間を殺したり命を救ったりはしません。
それさえ守れば誰にも咎められることはないからです。
いつも陽気でイタズラばかりするシャル。
人間をまるでおもちゃのように、手のひらで転がして遊ぶのが好きでした。
人間そのものに興味はありません。
ただ運命に翻弄され、喜怒哀楽を表現している様が好きだったのです。
ある時は、年老いた男の人が引いたおみくじを、10年連続で「大凶」にしたり、
またある時は、とある研究チームが行っていた素粒子加速実験中に空間を歪め、光より速い測定結果を出したり、
そしてまたある時は、サッカーの試合中に有り得ない軌道のシュートを撃たせたてスタジアムを騒然とさせたりと、それはもう毎日色々なことをしていました。
…そんなある日。
何十億という数の中、シャルは気になる1人の人間を目にしました。
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