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青年はなんの躊躇いもなく鏡に拳を叩きつける
案の定、鏡はパリーンと小気味のいい音をたてて割れた
「隠し階段?」
そこにはいかにもと言った雰囲気を醸し出す、石造りの階段があった
「この下に例の誰かさんがいるってわけか…」
ふ、と軽く笑い階段を下りる青年はどこか楽しげだった
宝探しをする子供のように
階段は然程長くはなかった
階段が終わると扉があった
金属の骨組みに木を嵌め込んだオーソドックスな奴だ
ドアノブを軽く捻るとカチッという音がするだけで開く気配はない
「鍵かかってんのか…?」
青年の声に反応したように中でジャラリ、金属的な音
青年は面倒くさそうに片足を上げ前に突きだした
扉は青年の蹴りに耐えきれず破砕する
「んん゙~ッ」
中から悲鳴を圧し殺されたような唸りが聞こえた
舞い上がった粉塵が数分たってやっとおさまり、中を見渡した
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