青年

5/9
前へ
/16ページ
次へ
「これでよし!もう痛くないだろ?」 少女はコクッと頷いた 「君、突然で申し訳ないが俺と一緒に来ないか?」 少女はゆっくりと顔を持ち上げ俺を見据える 「簡単な話俺は君をここから出してあげよう。その代わり君は俺についてくるんだ」 青年は少女の頬に手を添えてニコッと笑い、悪くないだろ?と続けた 少女は不振に思ったのかしばらく俺を見つめ、腹をくくったのか頷いた 「よし、交渉成立だ。」 俺は再び少女に笑いかけると、その華奢な体を拘束する鉄の枷を、鎖を素手で引きちぎった。 これには反応の薄かった少女も驚きの表情を浮かべる 最後に猿轡をはずすと少女はむせた その背中を優しくさすった 「早く行こう、見つかると面倒だ」 青年は手早く少女を抱きかかえた
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加