青年

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青年は少女を横抱き、つまりお姫様だっこにすると壁に蹴りを入れる 壁に亀裂がはいり、パラパラと砂埃が舞う 「あれ?抜きすぎたか」 青年は改めて壁に蹴りを食らわす すると壁はばこん、と景気のいい破壊音をたてて砕け散った 「んー、今度は力入れすぎたか?ムズいな」 少女はまた呆気にとられていた 「ちょっと急ぐから振り落ちないようにしっかりつかまって」 少女は言われた通り、青年の体にしがみついた 「よし、いい娘だ」 蕩けるような微笑みを浮かべ、少女の頭を撫でる 不意に青年の目付きが変わり鋭くなる 「……暗視…!」 暗い部屋に青年の鋭い眼光が線を引いた 青年は走り出した
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