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青年は少女を抱えたまま走り続けていた
町を抜け、森の奥に
「ふぅ、やっとついた」
一息つき目の前の洋館の玄関に向かう
「今帰った」
玄関の前でぽつりと呟く
するとドアは独りでに開いた
「お帰りなさいませ」
主人の帰宅に気づいたメイドが近づいてくる
「あぁ、ヘレナ。ただいま」
青年は、にこっと微笑む
「お待ち下さい、服が破けています」
短剣が刺さったとこだ
「修繕いたしますので脱がせますよ?」
「あぁ、両手が塞がってるからな」
上着をヘレナに脱がせてもらう
脱がせた服を簡単にたたんでかかえている
「それと腕に血が」
「あぁ、傷は消えても血は消えないからね。悪いがこっちも頼む」
苦笑い
「失礼します」
ぺろ
「…誰も舐めろなんて言ってないでしょ?」
「…ん…最近不足していましたので…すいません…あ…」
謝りながら舐めるのか
「でも俺の血は毒だぞ?」
「はい…、さっきから…んぁ…火照りが…」
「もう十分だろ?」
「はい…ありがとう…んッ…ございました…」
ヘレナを残して自室にむかった
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