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青年は迷路のような路地を右に左に曲がりながらぐんぐんスピードをあげる
聞こえる追跡者の足音が遠くなり、余裕の笑みを浮かべる
が、青年は一番の敵は油断だと身をもって知った
行き止まり
回りは建物に囲まれた
後ろからは追跡者
絶対絶命といった状況だ
だが青年の顔は余裕の笑みから何の変わりもなかった
次第に足音が近付いてきた
「はぁ…はぁ…、やっと追い詰めたぞ化け物め!」
追い詰めたと言っても青年が待っていたかのだが
「懲りないなぁ、無駄だって学習しなよ」
からかうような口調で軽口を叩く青年
場の緊張とは不似合いな甘い声だった
「黙れ、もう逃がさん」
ガチャッといっせいに兵士たちが何かを構えた
それは銃と弓を組み合わせたような得物
ボウガンだった
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