追跡者

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青年は余裕の笑みのままボウガンを観察した 「なかなか面白い玩具だな、そんなもので俺を捕まえる気か?」 やはりその声はこのような状態には不似合いなほど甘い その言葉に兵士たちの隊長らしき人物が反応した 「捕まえる?笑わせるな……。殺す気だぁぁッ!!」 バシュンッ 隊長の怒号を皮切りに青年に向けられて放たれた矢は横凪ぎの雨のように青年に向かって飛んだ が、青年は身を軽く捻り全てをかわした その顔にはへらへらとした笑み 「くそッ、なめやがって!」 1人の兵士がいまだに余裕の笑みのままの青年に、ボウガンを捨て短剣を逆手に構え突進した 突き立てるように青年の胸に向かって短剣を突き刺した ように思われたがそこには青年の姿はなく、体重を込めた一撃は虚しく空を切った 「相手との間合いもはかれないなら軍人失格だな?じゃあ」 嘲笑うような声が背後から聞こえ振り返った 「死ねよ」 青年の放った蹴りによって壁と足に挟まれ首からゴキリッと鈍い音をたて血泡を吹き、体をビクンと痙攣させ崩れ去った
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