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すぐに扉は開き、「岸谷」と掲げられた家から綺麗な女の人が出て来た。
「おかえりぃ~、って、あら?」
母親は晴香を見つめて、キョトンとしたあと隆人を見つめた。
「こちら、俺の彼女の晴香ちゃんです」
「あ……、い、井貝晴香です。よろしくお願いします」
「あら、あらあらあら。女の子じゃない」
「ちょっと佐恵子さん、その反応おばさん臭いよ」
「えー、本当?」
……佐恵子さん?
お母様じゃないの?
今度、キョトンとしたのは晴香。
その視線に気が付いたのか、佐恵子はニコリと笑った。
「隆人の母の佐恵子です。外は寒いから中へどうぞ」
「あ、ありがとうございます。すみません、急に言われて手土産も無くて」
「良いのよ。こうやって隆人が晴香ちゃんを連れて来たことが1番、嬉しいの」
家の中に入ると、リビングに通される。
ソファーに座ると、温かいココアを出してもらい晴香はありがとうございます、と会釈をした。
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