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「……何をなさっているんですか」
怒っているのか、呆れているのか分からない。
見渡せる場所にあるのは汚れたボールやお皿だ。
「何って、料理よ」
「エプロンすらつけた事の無いお嬢様が料理ですか?」
「何よ、文句あるの?ていうか真田、邪魔。出て行って」
「しかしお嬢様、シェフが迷惑がっております」
いつ聞いても慣れないこのケンカのような言い合い。
これが当たり前で、しかも主従関係というんだからビックリだ。
「ちょっと、美波ちゃんも何か言ってよ」
「え?あ……、邪魔にならないようにするし。私もついてるから然は出て行って?」
然の為にチョコレートを作っているなんて言えないから、私と那弓ちゃんは厨房から然を追い出す。
あれ以来、仲良くなった私たちは良く一緒にいるのだが先日、バレンタインデーの話をしたところ那弓ちゃんがチョコレートを手作りしたことがないというので一緒に作ることになったのだ。
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