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変な話しだけど、彼の職場が私の遊ぶ場所なわけで。
慣れないといけないのは分かっているけれど、どうもしっくり来ない。
「今日は真田のとこに泊まるの?」
「そのつもり。花ちゃんとあっちゃんも今日は一緒に過ごすみたいだし」
「はぁ……本当、バレンタインデーって恋人の日よね」
「彼氏に会えば良いじゃん」
「……会いたいのが彼氏じゃなくて政裕だから困ってるの」
那弓ちゃんは色々な意味で政裕くんを好き過ぎている。
男とか女とか関係なく、私も花ちゃんが大好きだから分からなくもないけれど、那弓ちゃんのこれは間違いなく“恋”だ。
けれど、本人はそれを認めない。
まぁ、婚約者もいるし認めるわけにいかないと言った方が正しいのだけれど。
那弓ちゃんと政裕くんの問題だし、那弓ちゃんは婚約者がいるし深くは追求するつもりはない。
「まぁ、明日が幸せに過ごせれば良いね」
「そうだね」
必死に作ったチョコレートケーキ。
少しでも那弓ちゃんの気持ちが政裕くんに届けば良いと思った。
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