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私が先に入り、5分くらいしてから然が入って来るのがいつものパターンだ。
「美波~、スウェットの上どうした?」
「あ、一緒に持って来て洗濯機の上に置いてる」
髪を洗い終えて、体を洗っていると然がお風呂に来た。
シャワーで泡を流し、私は湯舟につかる。
「今日結局、何作ったの?」
「何って?」
「那弓様に聞いても答えないし。あんだけ厨房にいて作ったモノも見せて貰えないなんて」
「あ~、那弓ちゃんは政裕くんに食べてもらいたいみたいだったから、然には見られたくなかったんだと思うよ?」
然が頭を洗い始める。
前に一度手伝ったが、じゃれるだけになって作業が進まなかったのでやってあげないことにしている。
「政裕様にねぇ~……」
何を考えているのか、然はそう呟くと髪を洗い終えるまで一言も喋らなかった。
「ねぇ、然」
「ん~?」
「背中流してあげようか?」
バレンタインデーだしってわけでもない。
然を見てたら触りたくなったっていう、私の欲。
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